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「サールナートと寝台電車」インド旅行記6日目

あまりにも大変な前日を乗り越えて……本日朝から大雨。そう。8月のインドは雨期なのです。暑くてじめじめしていて、毎日のようにスコールが降るし……なんだか大変だったな……。ちなみに、インド旅行ベストシーズンは10月〜3月くらいらしい。乾期で暑くなく、北インドはむしろ寒いくらいだそうだよ。ちなみに、5月は連日45℃超えのやばいやつになるから、GWの旅行はおすすめではないそう。

 ちなみに、8月だけでいえば東京のほうが暑い! インドのほうがまだ少しましだったかも。まあ、東京もインドもじめじめした不快な暑さには変わりない。

 ……と、毎回日記を書く度に、インド旅行のプチ情報をお届けしているのだけど、この旅行記を見てはたしてインド旅行に行きたくなる人はいるのだろうか……。みんな足が遠のくだけの気がしてならないんだけど……。

 

 旅も6日目になると、毎朝起きるたびに、「実はここはサイパンで……カーテンを開けると青い海と青い空が広がっていて……今からビーチでビールを……」ということを妄想するようになる! そしてカーテンを開けると……、当然そこは廃墟の路地裏で、野良犬がうろついているわけ。「やっぱり……サイパンじゃ……なかった……」と愕然とする。



 だったらサイパンに行けよ(笑)と、自分でつっこんで本当におもしろくなる。だって、わざわざ夏休みを一週間も取って、そこそこの値段を払って、死にものぐるいでビザを取り、自ら選んでサイパンじゃなくてインドに来たんだから。むしろ、サイパンに行くより時間もお金も準備の手間も掛かっているのに。



 心身ともにぐったりしていたから、午前中はゆっくりして、お昼前から観光へ出かける。今日は三輪タクシーのおじさんと闘ったり交渉したり、行きたくもない場所に連れて行かれるのも物売りにつきまとわれるのも嫌だったから、天下のHISのドライバーさんと車をチャーター。気楽に巡るぞ−。



 まずは雨が上がるまでランチへ。ドライバーさんおすすめの、地元感溢れるとてもローカルなお店へ。

 でもね、ここがすごくおいしかった。またチキンカレーとタンドリーチキン食べたんだけど、大満足。

 レストランの奥の部屋に通されて、店主に「ビールがある。飲むか」と耳打ちされる(笑)


 もちろん、私は昼間からビールをいただいた。ローカルなお店では宗教上アルコールは禁忌。私がビールを飲み始めると、電気を消してブラックライトのバー仕様にしてくれた。インド人、ノリノリだなあ。ミュージカル映画が大好きなインド人。年間5000本も映画が作られていて、ハリウッド以上の大量生産なの。

 どのお店でもテレビでは常にインド映画を流していて、店員さんたちはずっとテレビに釘付け。歌ったり、踊ったり。陽気な性格の人が多いね。



 これもインドで思い続けていたことなんだけど、店員さんの数が異常に多い。どこの店やホテルに行っても、こんなにたくさん従業員いらんだろうってくらいウヨウヨしている。さすが人口12億人の国。少ない仕事をみんなで分け合っているのだろうと思われる。

 そして、お金使って欲しいのと、おもてなしが激しい文化なのと、なんかもう食事中に感想を聞かれまくる。そして、常に3〜4人の人に囲まれている。落ち着かないわ!



 私はインドの旅で食事には本当に気をつけていたので、旅の間にお腹を壊すことはなかった。あと、毎食後ビオフェルミンとキャベジンをまじめに飲んでいたことも勝因だと思っている。ビフィズス菌パワーあなどれない。



 さて、今日のドライバーさんは経験なヒンズー教徒。ラーメンマンみたいなべん髪で、これはヒンズー教のヘアスタイルだと言っていた。

 目的地はサールナート。四大仏跡の一つで、ブッダが初めて説法をした場所で、仏教の聖地。いまやインドに仏教徒はほとんどいないけれど、仏教はインドで生まれた。神聖な場所がたくさんある。

 バラナシの街を出て北東に約10kmこのサールナートの近くには、たくさんの宗教や国のお寺がたくさんある。日月山法輪寺という日本のお寺もあって、あまりの日本感に驚いた(笑)いやあ、ほっとした。


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 ムールガルタ・クティー寺院には、壁にブッダの生涯を描いた立派な壁画があった。これは、戦前に日本人が描いたんだって。こんなところで活躍している日本人がそんな昔にいたと思うとすごいなあ。

 サールナート周辺には、学校にもたくさんあって、ガンジス川の川岸とは全然違う雰囲気。周辺ではヒンズー教のお祭りをやっていて、学校は休日。たくさんの子どもたちが遊びに来ていた。


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 この周辺、とてものどか。遺跡やお寺がたくさんある地域で、大きな芝生の公園があって、小さい遊園地や動物園みたいのまである。街中に牛や山羊が生息しているのに、檻の中の山羊や鹿を観るのはなんともシュール……。遊園地の遊具は猛スピードで回る観覧車とジェットコースターの間みたいな不思議な乗り物が人気だった。ちょっとあぶなっかしい。


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 ちょっとセレブなインド人がピクニックに来たりしている。おしゃれして家族で遊びに来て、子どもたちがバトミントンとか、サッカーとかやってる。これが……ハイカースト層なのか?! と想像が付く。デリーでもアグラでもガンジス川の近くでも見ることのなかった、なんとも見慣れない光景だった。

 

 インド人は、とてもおしゃれで、みんな襟が付いたシャツが好き。ぴしっとアイロンを掛けてジーパンにイン。

 ここにいるハイカーストらしい子どもたちは、まあとにかくオシャレだった。たぶん、中学生くらいだと思うんだけど、みんな髪をセットして、かっこいい服を着ている。日本人のこの年頃の子って、こんなにオシャレじゃないなーと思う。写真を撮られるときはサングラスをして、決めポーズ。

 本当にみんな綺麗な顔立ち。イケメン。インド人ってやっぱり驚きの顔の濃さだけど、かなりイケメンが多いと思う! 女性も美女ばかり。あの掘りの深さ、つくづく羨ましいね。


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 さまざま観光終わり、HISがやっているシルクセンターに連れて行ってもらう。バラナシのシルクは上質でとても美しく、お土産の定番。日本で買うよりずーっと安い。


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 もう、買い物するつもりはなかったんだけど、インド流接客に負けて、またもやスカーフを買ってしまった……。インドではチャイを飲みながらゆっくりゆっくり商談。なんかもうね、けっこう疲れる。

 私が買ったのはお土産用のスカーフだけだけど、かならずサリーをすすめてくる。いや、インドのサリー本当に綺麗でうっとりするけど、さすがにいらないでしょう。日本人が日本でサリーを着る理由がない。女性のインド旅行=「サリーいらない」を貫く旅でもある!

「だから、サリーはいらないから!」って何回言ったかなあ(笑)



 HISのドライバーさんは異常に心配性で「何かトラブルはなかったか?」「僕の運転は安全だったか?」と何度も何度も何度も聞いてくる。すごいいい人だったんだけど、あまりに心配しすぎて「わあーーーーー」と頭を抱えてパニックになっていた(笑)

 どうやらかつて、変なクレーマーにやられたことがあるんだろう……。かわいいそうに。「あなたはほんとうに最高のドライバーだったよ。HISに伝えておくね」と言ったら安堵の表情だった。大変なのね……。



 そして、観光も無事終わり、ごはんを食べてまったり。もうチェックアウトしてしまって、ホテルには戻れないのだけれど、本日は夜中に出発しなければいけない! いよいよこの旅一番の長旅。寝台電車で朝まで移動なのだ!


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 デリー、アグラ、バラナシと宿泊しながら移動していたけれど、今回は一気にデリーまで13時間の電車の旅。

 私は、前回の電車でトイレに閉じ込められたり、なんのアナウンスもないままに4時間も電車が遅れたり、けっこう大変な目に遭ったので、だいぶ怯えていた。そもそも13時間ってただならぬ時間じゃん。そんな長い時間乗り物に乗っていたのって、日本からNYに行った飛行機くらいのものだよ。

 それを、あの地獄絵図のようなインドの寝台電車で過ごすかと思うと………。

 インドを旅するうちに私はだいぶたくましくなっていたので、いさぎよく電車に乗り込んだ! 電車に乗った時間は21時くらい。相変わらずのボックスシートの一部屋に座り、3人ずつで向合う。席は椅子をつぶしてベッドを組み立てないといけないので、見ず知らずの6人全員がせーので寝る必要がある。向かい合うこと数時間……。そのタイミングが全然わからない(笑)


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 なんだか良き時間が近づいてきたのか、乗務員的な人が、毛布やシーツ、まくらを配りにやってくる。なんだか、修学旅行みたいで楽しい。

 私たちは完全にアウェイなので、「いつベッドを組み立てて寝るのだろう」というタイミングをただ伺い続けるばかり。しばらくすると、なんだか突然一人の男性が「寝る」と言い出し、「待ってました」と言わんばかりの手際で、みんなでベッドを組み立て始める。

 私は、3段ベッドの一番上に陣取る。サイズは横50センチ、縦180センチくらいかな……。狭いやな。3段ベッドが3つ向かい合うお部屋。私以外は全員屈強な男性。……きまづい。それに、だいたい3段ベッドの一番上に上がるのはなかなか大変で、2段目のベッドに足を掛けて、腕力でよじ登るといった風体。どうなってんだ。

 みんな超手際よくシーツを敷いたり、毛布や枕をセッティングしたりしている。私はどうにも狭いベッドと低い天井と、バックパックやら水やらなんやらすごい大荷物がある中でベッドメイクが全然できず、ぐちゃぐちゃのまま眠ることに。みんな慣れてるなあ。荷物は物騒なので一緒に眠るしかない。超せまいベッドの大半を荷物でつぶすわけだから、本当に足が出そうなギリギリ。女で、しかも小さめの私がギリギリなんだから、屈強な男性たちはどうなってしまうのだろう。

 私は寝台に横になったまましばし3DSでドラクエ7をやり、疲れも貯まっていたので眠りに落ちる。まあ、意外なほど本当にぐっすり朝まで眠りました。

 前回のトイレのトラウマがあるため、延々トイレを我慢するという苦行があったけれど、意外なほどあっけなくほぼ時間通りにバラナシに到着。前回は4時間も遅れたためたかをくくっていたから、余裕ぶっこいていたら定刻通りに駅に着いたから、超焦る。

 そしてこの夜遅くに帰国するの。私たちは、デリーのホテルに行き、入浴など身支度など。あーーー。最後の一日が始まる。寂しいな……。つらかったけど、帰りたくない。

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